大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和30年(あ)2429号 判決

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人古屋東の上告趣意について。

所論は、違憲を主張するけれども、原審が被告人の本件所為に対して適用した公衆浴場法(二条一項、八条一号)は職業選択の自由を保障する憲法第二二条の規定に違反するものではないとした原判決の正当であること当裁判所大法廷判決(昭和二八年(あ)第四七八二号、同三〇年一月二六日言渡、集九巻一号八九頁参照)の趣旨に徴し明白であるから所論は理由がない。(なお所論のうちには、富山県公衆浴場基準条例の違憲を主張する部分もあるけれども、第一審判決においても、原判決においても、該条例は本件に何ら適用されていないこと各判文上明らかであるから、同条例の違憲を主張する部分は適法な上告理由とならない。)

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 河村又介 裁判官 島 保 裁判官 小林俊三 裁判官 垂水克己 裁判官 高橋潔)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例